PV3 に入力された映像信号と音声信号は、PV3 ならびにパソコン内部で信号処理を行い、ディスプレイ装置とサウンド出力装置に出力されます。信号処理には時間が掛かるため、入力と出力には時間差が発生します。この時間差を遅延時間と呼びます。
遅延時間はある一定の幅を持つため、2つの数値を使って「A~B」と表記します。A は最小遅延時間で、B は最大遅延時間です。
遅延時間を計算する式を簡単にするため、ディスプレイ装置のフレームレートを 60 Hz として説明します。
レイテンシ補正値 Ls' は 0 か Fv-1 のいずれかの値を取ります。通常の値は 0 ですが、CPU の処理能力不足により所定の時間内に音声モニタ関連の処理が完了しない状態が続くと、音切れを防ぐために値が Fv-1 に変化します。
記号 | 名称 | 値 | 単位 |
---|---|---|---|
Fv | インターレース映像のフィールドレート | 60 | Hz |
プログレッシブ映像のフレームレート | |||
Fd | ディスプレイ装置のフレームレート | ||
Lp | PCI バスのレイテンシ | 3 | ms |
Ls | サウンド出力装置のレイテンシ | 30 | ms |
Ls' | レイテンシ補正値 | 0 | ms |
「設定」メニューの「ゲームプレイモード」をオフにした状態です。
種別 | 遅延時間(ms) | 計算式 |
---|---|---|
映像 | 36~53 | Lp+2Fv-1~Lp+2Fv-1+Fd-1 |
インターレース映像をプログレッシブ映像に変換して表示するため、プログレッシブ映像のときと比べて遅延が Fv-1 だけ増加します。
種別 | 遅延時間(ms) | 計算式 |
---|---|---|
映像 | 53~70 | Lp+3Fv-1~Lp+3Fv-1+Fd-1 |
Ls+Ls' の値によっては、映像を Fv-1 単位で遅延させて、映像と音声を同期させる必要があります。
このため、遅延時間は音声モニターなしのときと比べて増加することがあります。
種別 | 遅延時間(ms) | 計算式 |
---|---|---|
映像 | 53~70 | Lp+(2+N)Fv-1~Lp+(2+N)Fv-1+Fd-1 N は Lp+Ls+Ls' ≦ Lp+(1+N)Fv-1 を満たす 0 以上の最小の整数 |
音声 |
種別 | 遅延時間(ms) | 計算式 |
---|---|---|
映像 | 53~70 | Lp+(3+N)Fv-1~Lp+(3+N)Fv-1+Fd-1 N は Lp+Ls+Ls' ≦ Lp+(2+N)Fv-1 を満たす 0 以上の最小の整数 |
音声 |
映像遅延の最短化を狙ったモードです。非同期のディスプレイ装置に表示するという条件下では、最小の遅延時間です。
録画ができない、映像と音声が同期しない、映像を書き換えているところが見える(ティアリング)、インターレース映像では横縞が見えるといった不利な点があります。
また、グラフィックカードによっては映像が表示されず、このモードが利用できないことがあります。
種別 | 遅延時間(ms) | 計算式 |
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映像 | 3~20 | Lp~Lp+Fd-1 |
音声 | 36~53 | Lp+NFv-1~Lp+NFv-1+Fd-1 N は Lp+Ls+Ls' ≦ Lp+NFv-1 を満たす 0 以上の最小の整数 |
以下の点を考慮してください。
全項目を実行しても、映像遅延は 3~20ms までしか下がりません。このレベルの遅延が問題になるゲームはプレイできません。